プッシュアップバーの効果

自重トレーニングをやるのに、まず揃えたいのがこちらのプッシュアップバーです。

 

プッシュアップバー

 

普通に床に手をついて腕立てするのと何が違うのかって思うでしょうが、これが大違いです。手が床からちょっと上がるだけなんですが、実際に使ってみるとおそらくびっくりすると思います。

 

まず、負荷が強くなって体が持ち上がらなくなります。正直私はこのプッシュアップバーを初めて使ったとき、体が一回も上がりませんでした。はい、ただの一回も、です。信じられます?なので私はしばらく、膝をついた状態で腕立て伏せをやっていました。

 

ただバーを握って腕立て伏せをやるだけのプッシュアップバーですが、次のような効果があります。

  • 手首への負担が軽減される。
  • 肩甲骨の可動域を広げられる。
  • 大胸筋を十分にストレッチできる。
  • 大胸筋のパンプアップに有効。

 

手首への負担が軽減される

プッシュアップバーの効果としてまず挙げられるのは、腕立てをしても手首が痛くならないことです。特にこれは、中高年には大事なポイント。運動不足によって手首を含む体中の関節が固くなっていますから、手を床に着いて全体重をかけると手首に大きな負担がかります。体が持ち上がらなくなる前に、手首が痛くなってしまいます。

 

プッシュアップバーを使うと手首が真っすぐな状態で腕立て伏せができますから、手首に過剰な負荷がかからずに済みます。もしそれでも手首が痛くなってしまう場合は、リストラップを使うといいですね。手首への負担が更に軽減されますから、大胸筋だけを限界まで追い込めるようになります。

 

プッシュアップバーとリストラップ

 

肩甲骨の可動域を広げられる

プッシュアップバーを使うと、胸がグッと沈むのがキツいんですよね。でもここが大事。後々非常に役立つことになります。胸を床に近づけることで、左右の肩甲骨が背中の中央に寄ります。歳を取るとこの肩甲骨の動きがかなり悪くなっています。最初のうちは、肩甲骨がほとんど動かないでしょう。しょうがないですよね。日常生活では、肩甲骨を動かすような動作なんてほとんどありませんから。

 

毎日PCに向かって仕事をしているなら、なおさら。猫背になって肩甲骨が固まってしまいます。でもこの肩甲骨を中央に寄せる動きができないと、のちのちベンチプレスやダンベルフライで大胸筋に効かせることができません。肩甲骨が動かないと、胸板を厚くすることができないということです。

 

なので運動不足の中高年の方々は、プッシュアップバーは腕立てをするためというより、肩甲骨の可動域を広げるためと思って使ってみてください。膝をついた状態での腕立てで、十分です。でも、胸はしっかり床すれすれまで下してください。

 

大胸筋を十分にストレッチできる

プッシュアップバーを使って胸をしっかり沈みこませると、肩甲骨が中央によると同時に大胸筋を十分に伸ばすことができます。筋肉を肥大させるには、この可動域が大事。負荷が掛かった状態でいかに筋肉を大きく動かすか。つまり、筋肉をできるだけ縮めできるだけ伸ばすことで筋肉は大きくなっていきます。そのためには、床に手をついて行う腕立て伏せよりもプッシュアップバーを使った方が、圧倒的に大胸筋をストレッチすることができます。

 

また大胸筋をいったんストレッチすることで、負荷が大胸筋にかかっていることを実感することもできます。よく筋トレ関連の記事にこう書いてあります。

 

腕立て伏せをする場合、上腕三頭筋や三角筋に効かせるのではなく、大胸筋の収縮を意識して行いましょう。

 

大胸筋の収縮って、分かりますか?私は自重トレーニングの後、ダンベルトレーニングを2か月くらいやってやっと分かるようになりましたが、最初は全く意識できませんでした。

 

まず腕を動かさずに、胸(大胸筋)だけを収縮させることってできますか?あのボディービルダーが良くやる、胸の筋肉をピクピクさせるヤツです。いきなりはできませんよね?できなくて当たり前です。神経系が発達していないからです。

 

そもそも胸の筋肉だけをピクピク動かすなんて、日常生活でそんな機会ありませんからね。(笑) やったことがない動きなので、神経系が確立していないわけです。

 

でも繰り返し大胸筋の筋トレを続けていると、筋肉が肥大するのと同時に神経系も発達してきます。そうすると、誰でも胸の筋肉だけをピクピク動かせるようになります。だからと言って、日常生活で何かの役に立つという訳ではありませんが。

 

とにかく、脳が動けと指令を出すとその筋肉だけを収縮させられるようになります。これができて初めて、大胸筋の収縮を意識した腕立て伏せができるようになります。そのためには、大胸筋をいったん伸ばしてから縮めるのが有効。そのために、プッシュアップバーが役に立ちます。

 

でも最初のうちは心配無用。大胸筋の収縮が意識できていなくても、普通に腕立て伏せをやり続ければ大胸筋は鍛えられますので。三角筋に負荷が逃げているだとか、大胸筋が収縮していないだとか、そんなことをチマチマ考える暇があるなら、プッシュアップバーを使って胸をしっかり床すれすれまで下すように腕立て伏せをやり続けましょう。

 

大胸筋のパンプアップに有効

自重トレーニングを卒業して、ダンベルやバーベルを使ったトレーニングをするようになると、あまりプッシュアップバーを使わなくなるかもしれません。でもベンチプレスやダンベルフライをやった後、大胸筋をパンプアップさせるためにプッシュアップバーを使って腕立てするのは非常に有効です。理由はやっぱり限界まで追い込み易いから。

 

私はウェイトを使った胸のトレーニングの後、レップ数は特に決めずに限界まで3〜4セットやるようにしています。プッシュアップバーによる追い込みを最後にやるようになって、トレーニング後の2〜3日、明らかに大胸筋に張りが残るようになり効果を実感しています。

プッシュアップバーの種類

プッシュアップバーにもいろいろな種類がありますが、大きく分けると固定式と非固定式の2種類。固定式は床から少し高い位置に固定されたバーを握り腕立て伏せを行います。非固定型はグリップが動くタイプのプッシュアップバーで、バランスを取りながら腕立て伏せをすることになり、固定式よりも複雑な刺激を筋肉に与えることができます。

 

固定式のプッシュアップバーには、ブリッジ型、S字型/U字型、三角型などがあり、非固定式には凸底面型と回転型があります。

 

固定式
  • ブリッジ型
  • S字型/U字型
  • 三角型
非固定式
  • 凸底面型
  • 回転型

 

固定式

ブリッジ型

 

最も一般的なプッシュアップバーです。PVCやABSなどの樹脂製で、グリップに滑り止めのラバーやスポンジが巻かれているタイプが多いですね。グリップに少し角度が付いていたり、脚部を取り外すことができ持ち運びに便利なタイプもあります。

 

S字型/U字型

 

鉄パイプをS字型に曲げ、グリップに滑り止めのラバーやスポンジが巻かれたプッシュアップバーです。U字型とも呼ばれています。ブリッジ型のように分解できないので、持ち運びには向いていません。ただし、作りが単純なためびっくりするくらい安い製品が揃っています。

 

三角型

 

グリップはステンレスパイプに滑り止めのラバーが巻かれていて、折り畳みできるナイロンなどの樹脂製脚部が三角形に繋がっています。折り畳み式なので、持ち運びに適したプッシュアップバーです。

 

非固定式

凸底面型

 

底面が凸面になっているプッシュアップバーです。グリップが自由に動くため複雑な刺激を筋肉に与えることができ、また同時にバランスを取らなければいけないので体幹を効率よく鍛えることができます。

 

回転型

 

底面に滑り止めラバーの付いた円盤の上に、回転するグリップが乗っているプッシュアップバーです。ボールベアリングが入っていてスムーズに回転する製品がオススメです。回転部分を止めて固定式のプッシュアップバーとして使える製品もあります。

固定式プッシュアップバーの比較

固定式のプッシュアップバーは、いろいろな場所に持ち運んで使うことを想定している方は、分解できるブリッジ型か折り畳める三角型を選ぶと良いでしょう。

 

プッシュアップバー

 

もしプッシュアップバーを自宅でしか使わないのであれば、どれを選んでも使用感にあまり差はありません。ただし握り部分は太さに差があり、滑り止めの素材もラバーやスポンジがあるので好みの分かれるところでしょうが、これは実際に使ってみないと分かりません。

非固定式プッシュアップバーの比較

いろいろな非固定式のプッシュアップバーを比べてみました。選ぶポイントは、回転部分にボールベアリングが入っているかどうかと、グリップの素材と形状です。

 

回転型プッシュアップバー

 

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Perfect Fitness

 

高評価が多いオススメの回転プッシュアップバーです。回転部分にボールベアリングが組み込まれ、スムーズに動きます。重さは1個454gで、耐荷重は136kg。持ち手は少し太めの樹脂製です。注意書きや解説書は全て英語版です。使い方を詳しく解説したサイトもありますが、こちらも英語です。1年保証が付いています。

 

良い口コミ
  • グリップのラバーのクッション性が良く握りやすい。
  • 回転がスムーズ、音が静か。
  • 握り部分が程よい厚みで掌が痛くならない。
  • 底が全面ラバーで滑り止め加工されていて、安定感がある。
  • 作りがしっかりしている。
  • 軽くて持ち運びに便利。
  • バーベルや回転しないプッシュアップバーでは不可能な動作ができる。
悪い口コミ
  • ベアリングの質が悪く回転がぎこちない。

おすすめの固定式プッシュアップバー

私はドン・キホーテで1,000円弱で買ったブリッジ型のプッシュアップバーを使っています。グリップに巻かれている赤いスポンジがすぐ傷んでしまうかと思ったのですが、1年近く経過してもほぼ新品の状態と変わっていません。

 

1年近く経過したプッシュアップバー

 

このドンキで買ったプッシュアップバーは脚部を取り外すことができるので、持ち運びにも便利です。私は海外出張時に持って行って、ホテルの部屋で夜中に腕立てしてます。(笑)

 

固定式プッシュアップバー

 

ネットでは様々なプッシュアップバーが紹介されていますが、私はこのドンキのプッシュアップバーで十分でした。

おすすめの回転型プッシュアップバー

非固定式のプッシュアップバーのうち、凸底面型は手首への負担に不安があるので、私はPerfect Fitnessの回転型プッシュアップバーを選びました。

 

選ぶポイントとなったのは、

  • 良い口コミが多い。
  • 回転部分にボールベアリングが使われている。
  • グリップが太めのラバー。

 

いつものように、無駄にデカい段ボール箱に入って届きます。

 

回転型プッシュアップバー

 

中には、取っ手のついた箱が入っています。簡単な使い方が図示されていますが、すべて英語表記です。

 

回転型プッシュアップバー

 

回転式のプッシュアップバー2つに加えて、取扱い説明書、注意書き、1年保証申込書が入っていますが、書類はすべて英語です。また、Perfectのサイトから様々なトレーニング方法をダウンロードすることもできますが、こちらも残念ながら全部英語です。

 

回転型プッシュアップバー

 

グリップに傾斜が付けられている製品も多いのですが、このプッシュアップバーのグリップは水平です。

 

回転型プッシュアップバー

 

グリップは太めのラバーが巻かれていて、握り易く滑りません。回転もボールベアリングのおかげで非常にスムーズに動き、むしろ回転しないよう止めておくのが難しいほどです。また底面の赤いラバーはグリップ性が高く、かなり腕をワイドにして腕立て伏せをしてもしっかりと床に密着してくれます。この製品は回転を止める機能は付いていないのですが、私はあまり必要性を感じません。

 

回転型プッシュアップバー

 

回転型プッシュアップバーの効果

回転型プッシュアップバーは固定式プッシュアップバーのグリップが単純にグルグルと回るだけなのかと思っていたのですが、筋肉への効き方が相当違います。そもそもグリップが回転するだけで、これだけのトレーニング方法があるとは想像もしていませんでした。

 

 

こちらのPerfect Fitnessのサイトには、さらに多くのバリエーションが紹介されています。

 

回転型プッシュアップバーを使うと、大胸筋だけでなく上腕三頭筋、上腕二頭筋、三角筋、広背筋などに効かせるトレーニングもできます。特に腱鞘炎やばね指のためになるべくダンベルやバーベルなどのウェイトを使いたくない時期に、指に負担をかけずにトレーニングできるのは非常に助かります。

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