プリズナートレーニングの内容

プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ

 

ポール・ウェイドという元囚人が、ダンベルもトレーニングマシンもない23年間の監獄生活の中で、圧倒的な強さを身に着けるために自重トレーニング(キャリステニクス)を6つに分類し、それぞれを初心者向けから上級者向けまで10ステップに分けて体系化したのが、このプリズナートレーニング。

 

プリズン(Prison)とは監獄のこと。人気の海外ドラマ「プリズン・ブレイク」は「監獄を壊す」、つまり脱獄です。プリズナーはプリズン(監獄)にいる人ですから囚人。よって「プリズナー・トレーニング」とは「囚人の鍛錬」という意味になりますが、これは全くの邦題。原題は「Convict Conditioning」です。Convictは受刑者、Conditioningは心身の調整。まあ、似たような意味ですね。

プリズナー・トレーニングの評価・評判

いたって真面目な自重トレーニングの本なんですが、表紙のイラストがかなり強烈なため、持ち歩けないとの口コミがたくさん書かれています。しかし、カバーを外してしまえば地味な茶系の本なので、決して持ち歩けないわけではありません。能書き部分がかなり長いので、私はトレーニングが図解されたページだけをコピーして持ち歩いています。

 

プリズナートレーニング

 

次に多い口コミは、器具を使ったトレーニングをこき下ろしている、との批判です。確かに、器具を使ったトレーニングは、関節部分の強化が追い付かないので怪我をしがちであるとの表現もありますが、著者の名誉のため、320ページにある一文を以下に抜粋しておきます。

 

「わたしはファシストではない。求められれば、どんなトレーニングをやっている人であっても一緒に体を動かしたいし(ナイスガイだろ?)、少し想像力を働かせれば、あなたがいまやっているトレーニングに自重力トレーニングを組み込む方法はいくらでもある。」

 

著者は器具を使ったトレーニングの危険性と自重トレーニングの利点を強調してはいますが、自重トレーニングだけに固執しているわけではありません。

プリズナートレーニングのメニュー

プリズナートレーニングでは、自重トレーニングを以下の6つに分類しています。

  1. 腕立て伏せ:PUSHUP
  2. スクワット:SQUAT
  3. 懸垂:PULLUP
  4. 腹筋:LEG RAISE
  5. ブリッジ:BRIDGE
  6. 逆立ち:HANDSTAND PUSHUP

 

それぞれのトレーニングに10個のステップが用意されていて、ステップ1は、こんなんでいいの?というくらい楽な運動ですが、ステップ10になるとほとんどサーカスのようなトレーニングになります。

 

また、各ステップごとに「トレーニング・ゴール」という目標が用意されていて、初心者、中級者、上級者の3つについて、その運動の回数とセット数が決められています。上級者の目標回数がクリアできれば次のステップに進み、もしそのステップの初心者の目標がクリアできない場合は、ステップを一つ下げて練習を続ける、という方法で各トレーニングのステップを上げていきます。

 

標準的なステップの進み方は、294ページに書いてあります。

 

「ひとつひとつのステップを激しく運動できるまで4週間ほどかかり、そのエクササイズに退屈さを感じるほど簡単になるまで2か月間かかるはずだ。」

実践してみて分かったこと

飽きる

 

プリズナートレーニングの教えに従えば、通常、各トレーニングの一つのステップを1〜2か月続けることになります。この辛抱強い進め方が成功の秘訣だと著者は書いていますが、実際にやってみるとやっぱり飽きてきます。

 

もちろん、徐々に筋力が上がりトレーニングが楽になってくるので、効果があるのは分かります。しかし、この進め方を監獄の外で1年間続けられるような強い意志を持った人が、果たしてどれくらいいるでしょうか。

 

難易度に差がある

 

トレーニングごとの難易度に大きな差があることも、実際にやってみると分かります。

 

例えば、腕立て伏せ、懸垂、逆立ちのステップ1は楽勝ですが、腹筋のステップ1にあるニー・タックは、ニートゥーチェストとも呼ばれているトレーニングで、ベンチの端に腰かけて、両足を揃えて膝の屈伸を行う運動です。上級者の標準とされている40回×3セットは、それなりに運動している人でもかなりキツいでしょう。

 

また、スクワットのステップ1にあるショルダースタンド・スクワットは、肩と腕で身体を支えて足を天井に向かって伸ばし、膝の曲げ伸ばしをする運動なんですが、体の固い私には非常に難しいトレーニングです。ところが、同じスクワットのステップ2にあるジャックナイフ・スクワットは、椅子などに手を置いて行うスクワットで、上級者の標準である40回×3セットも楽にこなすことができます。

 

ブリッジについては、体に相当柔軟性がないとステップ2から先に進むのは容易ではないでしょう。

 

器具がいる

 

器具を使うトレーニングを否定している自重トレーニングなんですが、実践するには実際はいくつかの道具が必要です。

  • バスケットボール
  • 野球かテニスのボール
  • ベンチ
  • 懸垂用のバー

 

ボールはいかにも監獄にありそうですが、子供でもいないと普通の家にはありませんよね?また、ベンチは椅子でも代用できますが、安定性や強度を考えると、やはりトレーニング用のフラットベンチの方がいいでしょう。

 

机は、スクワットの補助に使うくらいならいいのですが、ホリゾンタルプル(斜め懸垂)に使う場合はお勧めできません。机の縁に指を引っ掛けて行う斜め懸垂は、指が外れた場合背中や後頭部を床に強打する危険性があります。さらに、懸垂用のバーは普通の家にはないでしょう。(笑)

 

ドア枠に取り付ける突っ張り棒のような「ドアジム」という簡易的な製品もありますが、取り付けるドアの強度が必要ですし、外れて落下した場合はかなり危険です。

 


 

安全面からは、床に置くタイプの、いわゆる「ぶら下がり健康器」のようなチンニングスタンドがお勧めですが、場所を取るのが欠点です。

 


 

そこで私は片づけられるチンニングスタンドとして、次の製品を購入しました。これなら、ホリゾンタル・プル(斜め懸垂)も安全に行うことができます。

 


 

プリズナートレーニングのやり方/進め方

何年も、辛抱強く各ステップを実践していける強い意志を持った人は、実際に自分の身体を自在に操る真の強さを身に着けることができるでしょう。それくらいのポテンシャルを持った本だと思います。

 

しかし、そもそも私はそんな圧倒的な強さを求めているわけではなく、健康でカッコいい体になればよいと思っているので、そこまでストイックに実践するつもりはありません。器具を使ったトレーニングの方がカッコいい体を作るには効率的なのですが、関節部分の強化が追い付かず怪我しがちという意見も良く分かるので、私はウェイトトレーニングのウォーミングアップやパンプアップとして使っています。

 

例えば、腕立て伏せのステップ3にある、膝を付いた腕立て伏せのニーリング・プッシュアップをウォーミングアップとして30回×3セットやった後に、ダンベルを使ってプレスやフライをやったりします。あるいは、高重量のベントオーバー・ローイングやワンハンド・ローイングで背中を鍛えた後、アイアンバーを使って限界までホリゾンタル・プル(斜め懸垂)をすることでパンプアップさせたりします。

 

ただし、スクワットについては自重でも十分な負荷がかかるため、プリズナートレーニングだけでも相当追い込むことができます。プリズナートレーニングが最終ステップで目指すスクワットは一方の脚を水平に伸ばしたまま片足で屈伸を繰り返すワンレッグ・スクワットです。これは、大腿四頭筋だけでなく殿筋やふくらはぎの筋力をかなり強化するだけでなく、股関節に相当な柔軟性がないと一回もできないでしょう。

 

しかし、ステップ5にあるフル・スクワット(かかとを床に付けたまま、完全にしゃがみこむスクワット)やステップ6にあるクローズ・スクワット(両足のかかとを付けて行うフル・スクワット)でも、上級者の標準である20、30回行うことで下半身がパンパンになります。

 

基本的にプリズナートレーニングのメニューは器具を使わないため、出張先のホテルなどで行うトレーニングに向いています。特にスクワットは短時間に下半身の大きな筋肉を鍛えられるため、やり方を覚えておくと重宝します。

 


 

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