レップとRM
筋トレは、筋肉に負荷をかけた単純運動の繰り返しです。この繰り返し回数を、なぜか英語のRepetitionを略してレップやレップ数と言います。つまり繰り返し10回のことを10レップと言います。普通に日本語で10回って言えばいいと思うんですが。
また最大の繰り返し回数、つまりRepetition MaximumのことをRMと言います。例えば、10回は上がるけど11回は無理ってときは、10RMと書きます。これも最大10回でいいと思うのですが、しょうがないですね。
3つのトレーニング
私はトレーニングの目的を3つに分けて、セットごとの重量と回数を決めています。
- ウォーミングアップ
- オールアウト
- パンプアップ
ウォーミングアップ
ウォーミングアップは準備運動。もちろん筋トレ以外のエアロビやジョギングなどでウォームアップする方法もありますが、面倒だし時間がかかります。また静的ストレッチは、筋肉の剛性を下げてしまうので筋トレ前には適さない、と言われています。そこで私は、筋トレの種目そのものでウォーミングアップすることにしています。
ウォーミングアップの目的は、次の2つ。
- 筋肉を温める。
- フォームを確認する。
冷えた筋肉は硬直していて力が出ませんから、無理に動かそうとすると怪我をします。また怪我をしないようにして狙った筋肉に効かせるためには、正しいフォームで行うことが必須。そのためには、全力が必要な重量では重すぎます。
私は20レップ前後できる重量を選んで、ウォーミングアップします。例えば10RMが20kgでしたら15kg程度、だいたい半分ちょっとの重量を使います。軽い重量でゆっくりと20回程度、狙った筋肉の伸縮を感じながらフォームを固めていきます。冬は筋肉が温まりにくいので、ウォーミングアップを2〜3セットやるようにしています。
オールアウト
オールアウトというのは、筋肉を限界まで追い込むこと。これによって超回復が起こるため、トレーニングの本番とも言えます。そのレップ数によって、得られる効果が違います。
RM | 効果 | 適したスポーツ |
---|---|---|
1〜5 | 筋力増加 | 重量挙げ |
6〜12 | 筋肉成長 | ボディービル |
13以上 | 筋持久力 | マラソン |
5回までしか持ち上げられないような高重量でトレーニングすると、筋繊維1本1本の力が大きくなります。つまり重量上げのような体重制限があるスポーツで、筋力を上げたいときですね。
筋肉を大きくする目的には6〜12RMが最適と言われていますから、ボディメイクするにはこの回数が必要です。
RMが13以上になると筋肉の持久力が上がりますから、マラソンのように長時間筋肉を酷使するスポーツに向いています。
ただしこれはオールアウトする回数、つまりRMであることに注意してください。まだできるのに10回で止めたという場合、筋肥大は起こりません。もう挙がらないという限界までやることが目的であって、決められた回数までこなすだけでは筋肉は変化しません。
もう挙がらない、となってからが本番です。そこからどれだけ頑張れるかで、筋肉が大きくなるかどうかが決まります。
パンプアップ
パンプアップとは、筋肉が水分でパンパンになるまで負荷をかけ続けること。筋肉に負荷をかけ続けると、蓄えていた栄養が尽きて老廃物が貯まり始め熱くなってきます。そのため血漿やリンパ液がその筋肉に流れ込み、栄養分を補給したり老廃物を流し出したり冷やしたりしようとします。それが、パンプアップ。
パンプアップは一時的に筋肉が張った状態なので、10〜30分もすれば元に戻ってしまいます。しかし筋肉肥大にも効果があると言われており、多くのボディビルダーが実践しています。私もウオーミングアップで使う重量、つまりオールアウトさせるときの70〜80%の重量でパンプアップさせます。
回数は特に決めず、パンプアップするまで。オールアウトした後なので、だいたい20レップくらいで筋肉はパンパンになりもう挙がらなくなります。
RMを達成するコツ
オールアウトするには筋肉を限界まで追い込むことが必要なんですが、そう簡単ではありません。コーチが横についていてくれればこの限界を超える手伝いをしてくれるのですが、一人でトレーニングしている場合はどうしても自分との闘いに負けてしまいがちです。
そこで、私も実践している一人でもできるオールアウトさせるコツをお教えしましょう。
限界から2回足す
まず、普通に挙げられるまで回数を数えて繰り返します。筋肉がプルプルしてきてそろそろ限界かと感じてから、更に2回追加します。もちろん3回追加でもいいのですが、逆に3回も追加できるようならその限界はかなり甘い判断だったと言わざるを得ません。
ただし、本当に限界を越えてからやる2回はフォームを崩す危険がありますので、いざという時にウェイトを下に落としても大丈夫なようにしておきましょう。私はこの方法で追加の2回目が挙がらず、ウェイトとともにベンチから落ちて床に傷をつけてしまったことがあります。幸いケガはしませんでしたが、それ以来、床にクッションを置くようにしています。特にリストストラップやパワーグリップを使っているときは、ウェイトを手から外し難いので気を付けましょう。
敢えて回数を数えない
繰り返しの回数を決めていると、どうしてもその回数が目標になってしまいます。前回が10回できたとすると、本当はもっとできても10回を超えると満足して辞めてしまうことがあります。
そこで敢えて回数を数えないようにして、とにかく限界まで追い込むことに集中するやり方もあります。挙がった回数ではなく、自分の筋肉の状態に全神経を集中することができるので、追い込みやすい方法です。
前回+1回やる
筋トレの記録を取っているならば、前回の回数を必ず超える回数挙げるようにするのも一つの方法です。例えば、前回10回挙げられとすると、今回は11回を目標にするということです。
この方法は分かり易いのですが、筋肉の状態は疲労や栄養の状態で日によって違うので、しっかり限界まで追い込めない場合があります。また、目標回数を予めて決めてしまうと、どうしてもその回数を達成したいがためにフォームが甘くなり力をセーブしてしまいがちです。負荷を上げていくには、やはり回数よりも重量を上げていった方が確実だと思います。