フォームローラーの欠点
これまで、筋トレ前のウォームアップ用、そして筋トレ後のストレッチやクールダウン用にフォームローラーを使ってきました
これによって筋肉を傷めたりすることも少なくなり、また筋肉痛も減って筋肉の回復も早くなりました。特にトレーニング前にフォームローラーでじっくり全身をほぐすことで、筋トレ中に筋肉がつってしまう機会が激減しました。
ただフォームローラーは円柱状のローラーの上にほぐす個所を乗せ、体重をかけて自力で体を前後に動かさないといけません。そのため、やり難い場所やほぐせない箇所があります。
ふくらはぎ、ハムストリング(腿の裏)
足を床から浮かせた状態で両手で全身を支えて前後に動かさなければならないため、狙った場所にフォームローラーを当て続けるのが難しく、続けていると手が疲れてしまいます。
上腕三頭筋、太腿の内側、胸
フォームローラーを床に置いて行うため、上腕三頭筋・太ももの内側・胸などはフォームローラーの上に乗せた体勢を維持するのは大変です。
ハイローラーの特徴
床の上にあるローラーに体を乗せて転がすフォームローラーのこうした欠点を補うものとして、フィンランドで開発されたのがこちらのハイローラー(HighRoller)です。
4本の脚によって床より高い位置でローラーが回るようにしただけなのですが、使用感はフォームローラーとは全く異なります。
- 全身の全ての部位に使える。
- 狙った部位に正確に当てられる。
- 楽な姿勢でローリングできる。
- 強弱・速さを自由に調節できる。
全身の全ての部位に使える
基本的にハイローラーでほぐせない箇所はありません。それは、ハイローラーが床より高い位置でローラーが使えるだけでなく、片方の脚2本を外すとローラーを斜めにして使うこともできるからです。
さらに両方の脚4本を外して、床に近いところでローラーを使うこともできます。
そのため、いろいろな体勢で体をローラーに当てることができるので、全身のほとんどの個所をほぐすことができます。特に、床に置いて転がすフォームローラーではほぐしにくかった、ふくらはぎ・ハムストリング・上腕三頭筋・太腿の内側・胸なども、しっかりローラーに当てることが可能です。
狙った部位に正確に当てられる
フォームローラーはローラーの上に体を乗せて足の裏や手の平を床に置いて体を支えるため、接地している面積が少ないので体が安定しません。その点、ハイローラーはローラーの高さを調整して、ほぐす個所を除いた広い面積を床に接地できるため、体が安定した状態でローラーを回すことができます。そのため、ローラーに当てる場所を細かく調整することができ、ほぐしたい部分をピンポイントで狙うことが可能です。
例えば、ハイローラーなら両足と片手を床に置いた状態で上腕二頭筋をローラーの上に乗せられるため、上腕二頭筋の内側や外側など狙った個所を別々にローラーに当てることができます。
楽な姿勢でローリングできる
床に置いたフォームローラーでふくらはぎをほぐそうとすると、両足を持ち上げた状態で両手で全身を支え前後に動かさないといけません。それに対してハイローラーでは背中全面を床に着けてふくらはぎをローラーに乗せられるため、楽にふくらはぎをほぐすことができます。
特に私は、太腿の内側にある内転筋を、両手と片足を床に置いた楽な姿勢でほぐすことができるのが気に入っています。
強弱・速さを自由に調節できる
体の接地面積が広く安定した状態で使えるため、ローラーをほぐず部位に当てる強さやローラーを回す速さを自由に調整することができます。まだ筋肉痛が残っている部位は弱めでゆっくりと、これから使う筋肉のウォーミングアップには弱めで速く、集中的に使ったトレーニング直後の筋肉をほぐすには少し強めでゆっくりと、といった使い分けが自由にできます。
ハイローラーの組み立て・分解方法
ハイローラーはAmazonと同じように、無駄にデカい段ボール箱に入って届きます。
本体の入った箱は、段ボールの半分以下。全て英語表記ですが、箱には簡単な使い方が分かる写真が印刷されています。
中に入っているのは、
- ハイローラー本体
- 持ち運び用バッグ
- ガイドブック(日本語)
- 取扱説明書(日本語)
ハイローラー本体には、
- 脚(スタンド):4本
- エンドキャップ:2つ
- エンドスクリュー:2つ
- 心棒:1本
が入っています。
ハイローラーの組み立て方と分解方法は、付属の取扱い説明書に詳しく図解されています。
英語解説ではありますが、こちらのハイローラー(HighRoller)本家のサイトなら動画で観ることができます。
組立は非常に簡単なんですが、気を付ける点が二つあります。
- 脚(スタンド)は、AとBとを組み合わせる。
- 脚(スタンド)を外に傾いた方向に取り付ける。
脚(スタンド)は、AとBとを組み合わせる
脚(スタンド)には、Aの印が付いたものが2本、Bの印が付いたものが2本あります。。
Aの脚(スタンド)
Bの脚(スタンド)
Aの脚もBの脚も自由に組み合わせることができてしまうのですが、必ずAとBの脚(スタンド)を組合せます。もし間違えてAとA、BとBの脚を組み合わせてしまうと、組み立てたときに脚が内側と外側に傾いてしまい、ハイローラーが安定しません。組合せを間違えてしまうと、上から見るとこのように脚がちぐはぐになってしまいます。。
脚(スタンド)を外に傾いた方向に取り付ける
4本の脚をちゃんとAとBで組み合わせても、ローラーに取る付けるとき脚の傾き方向を間違えるとハイローラーが安定しません。脚は僅かに傾いているため、両方の脚を外側に傾く方向に取り付けなければなりません。
脚を正しい組み合わせで正しい方向に取り付けた場合、上から見るとこうなります。
間違えて脚を内側に傾いた方向で取り付けてしまうとハイローラーが不安定になり、体重をかけた場合に倒れて危険なので注意が必要です。
ハイローラーの使い方
ハイローラーの5つの基本的な使い方は、こちらのハイローラー(HighRoller)の本家サイトでご覧いただくことができます。
全身の細かいほぐし方は、英語の解説ではありますがこちらのページで観ることができます。サイドカラムから体の部位名を選ぶとそこをほぐしている動画が観られるのですが、ブラウザの翻訳機能を使っても部位名が分かりにくいことがあるのでこちらにまとめておきます。
- Calves:ふくらはぎ
- Hamstring:ハムストリング(ももの裏)
- Quadriceps:大腿四頭筋(ももの前)
- Adductors:内転筋(太ももの内側)
- Triceps:上腕三頭筋
- Biceps:上腕二頭筋
- Shoulders:肩
- Chest:胸
- IT-Band:腸脛靭帯(太ももの外側)
- Back with angled legs:背中
- Upper back:背中上部
- Lower back:背中下部
- Shin:脛
- Hip flexor:股関節屈筋(ももの付け根)
- Glueus:大殿筋(おしり)
- Neck:首
まだ数は少ないですが、日本語の字幕が付いた動画も公開されています。
リオ・オリンピックのやり投げ金メダリスト トーマス・レーラーの解説
大腿四頭筋
首
日本語での解説を動画で観たい方は、こちらのHighRoller日本語公式ブログで観ることができます。
また、付属の日本語ガイドブックに、各部位ごとのほぐし方が写真付きで細かく解説されています。
ハイローラーの欠点と対策
ローラーを4本の脚で床から持ち上げただけのハイローラーですが、床でコロコロと転がすフォームローラーと比べて多くの利点があります。と同時に、使ってみて初めて分かる欠点もあります。
- エンドスクリューを握っていると手が痛くなる。
- 背中の中段には使い難い。
- 床に垂直に力をかけ続けないとガタつく。
エンドスクリューを握っていると手が痛くなる
ハムストリングをほぐすとき、片足の太ももをローラーの上に乗せ、両手でエンドスクリューを握りながら足を前後させます。
その時、上図の赤矢印部分に手のひらを乗せて体重を支えることになりますが、エンドスクリューが固くて幅が狭いこともあってしばらく握っていると手の平が痛くなってきます。ここは改善して欲しい点ですね。エンドスクリューの頭を、少し柔らかい素材でボールのようにして握り易くすれば随分楽になると思います。
対処法としては、ここにタオルなどを乗せると手の平の痛みはかなり軽減できます。
背中の中段には使い難い
背中をほぐす場合は、4本の脚を外しローラーを低い位置にして使います。
ハイローラーのローラーはボールベアリングが入っているので、ほとんど抵抗なくクルクルと回すことができます。これが背中の特に中段を当てるときは、欠点になります。ローラーが回り過ぎてしまうので、背中の中段でローラーを前後に動かすのはかなり難しい。ちょっと背中の下部まで行き過ぎてしまうと、ローラーがクルっと回って背中が床に落ちてしまいます。
そのため、私は万歳をして両手を壁に当てた状態にして、背中を前後に動かすようにしています。
床に垂直に力をかけ続けないとガタつく
ローラーに垂直に力をかけられないとき、ハイローラーは簡単に傾いてしまうので注意が必要です。例えば上腕三頭筋や肩をローラーに乗せているとき、どうしても体重が斜めにかかってしまいます。
体重をかけた状態でハイローラーが倒れると非常に危ないので、空いている方の手でエンドスクリューを握りハイローラーが傾かないようにしておくことが重要です。