パワーグリップの使い方
パワーグリップというのは、これです。
こんな風に、手首に巻きつけて使います。
ダンベルでトレーニングしていると最初のうちは重量も軽いのでいいんですが、だんだん重たいダンベルを使い始めると、効かせている筋肉が疲労する前に握力が付いてこなくなることがあります。特にダンベルを持ち上げる動きをするワンハンドローイングや、両手にダンベルを持って下半身を鍛えるデッドリフトやスクワットで起こります。
広背筋や足はまだ動くのに、手がダンベルを握っていられなくなるんですね。
特にワンハンドローイングは広背筋という背中の大きな筋肉を使う種目なので、すぐに20kgのダンベルでは物足りなくなります。片手20kgって、結構重たいですよ〜
しばらく持ってるだけで、握力が低下してきてしまいます。そんなときに補助してくれるのが、このパワーグリップ。
こんな風に、ベロをシャフトに巻きつけて指を添えるようにして握ります。
パワーグリップはまた、押す運動のときにシャフトと手のひらの間にベロを挟んで手の平を保護するのにも使えます。パワーグリップは一見上級者が使うグッズのようですが、むしろ握力の弱い初心者や中高年こそ使うべき補助具です。
おすすめはゴールドジムのG3710
ゴールドジムのパワーグリップには、
- パワーグリップ クラシック G3700
- パワーグリップ プロ G3710
の2種類があります。
値段は高くなりますが、プロ(PRO G3710)の方を選んでください。ゴールドジムの方の説明によると、「G3700」より「PRO G3710」の方がベロが長く、グリップ性も向上しているとのこと。私は「PRO G3710」を使っていますが、これよりベロが短くなったらダンベルにはちょっと使い難い気がします。
ちなみにパワーグリップは素手に直接巻いても使えますし、グローブの上から巻いてもOKです。これもゴールドジムの方から教えていただいたのですが、パワーグリップは、リストラップの代わりにもなります。
パワーグリップはマジックテープで手首に巻き付けるため、リストラップと同じように手首の関節を保護することにもなります。つまり、ワンハンドローイングやデッドリフトのようにウェイトを引き上げる運動だけでなく、ベンチプレスのようにウェイトを押す運動にも手の平と手首を保護するためにパワーグリップは役立ちます。
パワーグリップの効果(メリットとデメリット)
パワーグリップのメリット
- 握力の補助
- 装着が簡単
- 手首の保護
パワーグリップを使う一番の目的は、もちろん握力の補助です。重量が軽い場合や筋力にまだ余裕がある間は、パワーグリップの効果をそれほど実感することはないのですが、高重量になってきたり限界レップ数に近づいてきたりしたときは、パワーグリップが握力を助けてくれているのを実感します。
握力を補助してくれるグッズとしては、パワーグリップの他にリストストラップがあります。
リストストラップはバーに巻き付けて使うのですが、初めのうちはなかなかビシッと巻くことができません。巻きが緩いとグリップが効きませんから、結局握力補助になりません。
リストストラップに比べて、パワーグリップの使い方は圧倒的に簡単。ベロをシャフトに引っ掛けるだけです。
さらに55mm幅の帯をマジックテープで手首にしっかりと巻き付けるので、リストラップほどではありませんが手首の保護にも効果があります。
パワーグリップのデメリット
- 上腕が鍛えられない
- ブロックダンベルには使い難い
- リストストラップよりグリップが弱い
握力補助の裏返しになりますが、上腕への負担が減る分、当然上腕が鍛えられなくなります。上腕は別途鍛えるか、あるいは本番の追い込み以外はパワーグリップを使わない、という手はあります。
パワーグリップは、ダンベルやバーベルでは装着が簡単で非常に使い易いのですが、握りが太くスペースが狭いブロックダンベルでは使い難いですね。ベロが短く硬いのでシャフトにちゃんと巻き付いてくれないため、グリップが不十分になり握力の補助にあまり効きません。もちろん、隙間が狭いのでリストストラップも巻きにくい。
ブロックダンベルの太い握りに合わせるには、もっとベロの長い握力補助器具が必要です。ゴールドジムのパワーグリップの代わりに、マイプロテイン製のリフティンググリップを使ってみてください。
また、高重量になってくると感じるのですが、やはり巻き付けるタイプのリストストラップに比べて、引っ掛けるタイプのパワーグリップはグリップが弱く感じます。また、リストストラップは手首にしっかりと巻き付いていますが、パワーグリップは手首にマジックテープで止めているので、握力が追い付かず手首で持ち上げている感じになると手首から外れそうでちょっと心配になります。まあ実際に外れたことはないので、相当な重量までは大丈夫だとは思いますが。
懸垂にはパワーグリップが必須
パワーグリップの握力補助効果を一番実感するのは、チンニング(懸垂)です。チンニングはバーにぶら下がって肘を屈伸する単純な運動ですが、背中の広背筋を中心に上半身全体を鍛えられる非常に優れたトレーニング法です。しかし体を持ち上げるにはまず、握力だけで全体重を支えなければいけません。そのため広背筋に効かせられる前に、握力が持たなくなりバーにぶら下がっていられなくことがしばしば。せっかく上半身を満遍なくトレーニングできる懸垂なのに、自重を使って握力だけを鍛えていることになってしまいます。
私がチンニングで使っているのは、これ。
アイアンバーのパイプは直径が3.5cmと太めですが、パワーグリップを使うとベロがパイプに密着して効果抜群。指を軽く添えるだけで全体重を支えることができるため、握力をほとんど使わずに懸垂することができます。
パワーグリップの耐久性
1年後
私が持っている筋トレグッズの中でも、比較的使用頻度の高いパワーグリップなんですが、約1年使い続けてみても痛みはほとんどありません。
ほつれもありませんし、マジックテープも購入時と同じ。最も痛み易いのはシャフトと擦れるベロの内側だと思うのですが、擦り切れることもなくグリップが低下することもありません。
まだまだ使えます。
2年半後
パワーグリップを使い始めてから約2年半が経ちました。かなり負荷をかけて使っていると思うのですが、外見はほとんど変化なしです。
シャフトに巻き付けるベロの内側を拡大してみても、痛みはほとんど見られません。実際にシャフトをしっかりグリップしてくれて、滑ることもありません。縫い目もほつれたり糸が切れたりせず、マジックテープも全然問題ありません。
ベロの外側はほとんど新品同様です。このままだと一生使えそうです。
5年後
5年が経過したパワーグリップです。ぱっと見は、新品とほとんど変わりません。
逆側から見ても、ほとんど変化は見られません。
一番痛みが激しそうなシャフトに巻き付けるベロ部分を拡大しても、表面が剥がれたり傷が入ったりもしていません。使用頻度は相当高いのですが、かなりの耐久性です。
ただし、使用上は全く問題ないのですが、さすがに側面にすこしほつれが見られるようになりました。
パワーグリップを手首に固定する重要なマジックテープ部分は、痛みがほとんど見られませんし、機能的にも変化はありません。
ただし、よく見れば一部表面が剥がれ始めているところもあります。
特に手首に触れるパット部分は、表面がめくれはじめていましたが、使っていて不具合を感じるようなものではありません。
高重量のウェイトを扱うときや懸垂をするときに握力を補助してくれるパワーグリップ。まだまだ現役で役立ってくれそうです。