ブロックダンベルを購入した理由
ダンベルと言えば、このようなプレートを手で付け替えるタイプを普通思い浮かべるでしょう。私も最初、このタイプのダンベルを買ったのですが、使い続けるうちに次のような不満が湧いてきました。
- オンザニーがやり難い。
- プレートの取り換えに時間がかかる。
- ダンベルの重量が足りなくなってきた。
こういった不満を解消するために購入を決めたのが、ブロックダンベルです。
プレートを付け替えるタイプのダンベルは、安価なので筋トレ入門用にはお勧めなんですが、扱える重量がだんだん増えてくると徐々に不具合が出てきます。私にとっては、1番の「オンザニーがやり難い」という理由が大きかったですね。
オンザニーがやり難い
オンザニーというのは、これ。
片手20kgくらいまでは、自力でダンベルを頭上に持ち上げることもできるのですが、それ以上重くなってくると、足の力を借りないと持ち上がらなくなってきます。さらに、ダンベルを下すときも膝で受け止めないと、ダンベルを床に落としてしまったり、手首をひねってしまったりして非常に危険です。
ところが、プレートを付け替えるタイプのダンベルでは、シャフトがサイドに飛び出しているので、単純に縦にして膝に乗せようとすると、シャフトが腿に刺さってしまいもの凄く痛い。そのため、ダンベルを斜めにしてオンザニーをやります。このとき、大きなプレートを一番外側に取り付けることで、膝に乗せるプレートの面積が大きくなって、オンザニーが少しはやり易くなります。
ダンベルを持ち上げるときは、これでいいんですが、下すときはより注意が必要です。そもそも、筋力を限界まで使った後にダンベルを下しますから、もうダンベルをコントロールする力が残っていません。ダンベルの重量が上がるにつれて、シャフトが腿に刺さってしまう機会が増えてきます。うまくシャフトを外して斜めに膝に戻せても、ダンベルの重量が上がってくると安定しません。重量が30kgに近づくにつれて、いつかダンベルを床に落としてしまうだろうと、恐怖心が湧いてくるようになりました。
その点、ブロックダンベルはサイドが広い平面ですから、安心してオンザニーをやることができます。これが、ブロックダンベルを購入した一番の理由です。
プレートの取り換えに時間がかかる
ブロックダンベルを購入した二番目の理由は、プレートの取り換えに時間がかかることです。最初の頃は、時間をあまり気にせず筋トレをしていたので良かったのですが、最近は各セットのインターバルもきちんと計るようになりました。私が使っている筋トレ用のアプリでは、そのインターバル時間もちゃんと設定することができます。
ほとんどのセット間はインターバルを1分に設定しているのですが、複数枚のプレートを取り換えなければならないときなど、間に合わない場合があります。それに十分に追い込めるようになると、インターバルの間にプレートを付け替えるのが、ますます大変になってきます。ブロックダンベルはほぼワンタッチで重量変更できますから、その手軽さが魅力です。
ダンベルの重量が足りなくなってきた
ブロックダンベルを購入した3番目の理由は、単純にデッドリフトやローイングなどでダンベルの重量が足りなくなってきたことです。今持っているプレートのセットでは、片手27.5kgずつの重量が限界。長いシャフトとプレートを追加購入するという選択肢もありますが、片手約41kgのブロックダンベルは場所も取りませんからやっぱりいいですよね。
おすすめのブロックダンベル
購入したブロックダンベルは、これ。
本家のPowerBlockではないので品質面で心配もあったのですが、個人で使う分には何の問題もありませんでした。大きな4つの段ボール箱に入って届きます。宅急便屋さん、いつも済みません。
段ボール箱を開けると、梱包材の発泡スチロールが出てきます。
中に検品のメモが入っていました。松本さん、どうもありがとうございました。
発泡スチロールを外すと、ビニール袋に包まれたブロックダンベルが2分割された状態で入っています。
ビニール袋から出した状態が、これ。
組み合わせると、ブロックダンベルの出来上がりです。
ブロックダンベルの構造
ブロックダンベルの構造は単純です。2枚の鉄板を2本の細いアームで繋いだものを8つ、重ねただけです。全てのパーツをバラバラにすると、こうなります。
下半分に置いてあるプレートを重ねると、こうなります。
サイドから挿す2本のピンの位置で、持ち上がる鉄板の数を変えているわけですね。
重量はポンド表示で、10ポンドずつ色分けされています。
2枚の鉄板を繋ぐアームに、それぞれ同じ色のプラスチックのカバーが巻かれています。
ここに、サイドから2本のピンを差し込みます。
このピンの持ち手には磁石が付いていて、差し込むと鉄のアームに貼り付くようになっています。
例えば、40ポンドに設定する場合は、ピンクのカバーが付いたアームの下に2本のピンを挿し込みます。
ピンを奥まで挿し込むと、磁石で貼り付いて簡単には外れなくなります。縦にしても大丈夫です。ある程度振り回してみましたが、ピンが抜ける心配はありません。
この状態で持ち上げると、上の3枚のプレートが一緒に持ち上がります。持ち手の10ポンドと合わせて、40ポンドの重さになります。
逆から見ると、挿し込んだ2本のピンがアームを持ち上げているのが良く分かります。
ピンより下、つまりピンク色より下の鉄板は、持ち上がらずにそのまま残ります。逆に重量を変更する場合は、常に元の場所に戻してピンを抜き差ししないといけません。
重量を変更するプレートは、鉄板とそれを繋ぐ鉄製のアームでできているのですが、持ち手が付いている部分だけはプラスチック製です。
そこには、2本の鉄の重りが入っています。
持ち手の横にあるレバーを中央の「OPEN」に合わせると、重りを止めていたストッパーが外れます。
重りは1本ずつ取り外すことができます。
鉄板の重ね合わせが、持ち手のプラスチックも含めて9段階。それぞれで、重りが0本、1本、2本の3通りができますから、全部で9×3=27通りの重量変更ができます。表示は残念ながら、ポンド(lb)です。鉄板がそれぞれ10ポンドで、重りが1本2.5ポンド。1ポンドは、正確には0.45359237kgです。
実際の重さを量ってみました。
その結果を表にしたのが、これ。
重りを2本入れた状態の重さは、ほぼ換算値に近い値でした。しかし、出し入れできる重りが本当は2.5ポンド=1.13kgでないといけないのですが、1.06kgしかありませんでした。まあ、使っていて困るような誤差ではありませんが。
ブロックダンベル用のプレートラック
ブロックダンベルをプレートと一緒に片づけるために、先日購入したプレートラックも変更しました。具体的には、耐荷重150kgの棚を追加購入して、ラックを4段にしました。先に購入した棚は耐荷重が80kgなので、ブロックダンベル2個の重さには耐えられないからです。追加購入したワイヤーラックの棚は、これ。
すぐに届きました。
緩衝材に包まれて、段ボールに入っています。
相変わらず、製品の大きさと段ボールの大きさが合っていません。(笑)
ワイヤーの棚と、ポールに取り付けるためのストッパー(スリープと言います)が4つ、付いています。
これまでのプレートラックが、これ。
一番上に高耐荷重の棚を追加しますが、41kgのブロックダンベルを乗せるには高すぎたので、下の棚を少しずつ下方にずらして高さをさげました。
ブロックダンベルを乗せると、こんな感じです。
さすがに移動させるのは力が要りますが、ラックはぐらつくこともなくキャスターも大丈夫そうです。
ブロックダンベルの長所
ブロックダンベルは、プレートを付け替えるタイプのダンベルで感じていた不満点をしっかり解消してくれました。
- オンザニーがやり易い。
- プレートの取り換えに時間がかからない。
- コンパクトでありながら高重量(片手41kg)。
オンザニーがやり易い
予想通り、オンザニーが非常に安定します。膝に乗る部分が平面で面積も広いため、相当な高重量になっても安心して扱えます。
プレートの取り換えに時間がかからない
ブロックダンベルの重量変更は、横からピンを差し込んで持ち上げるだけなので数秒もあれば十分。若干、穴の位置がずれていてピンを刺し難い場合もありますが、手間がかかるほどではありません。
細かく重量調整するために2本の鉄の重りも抜き差しする場合は若干手間がかかりますが、それでも1分以内に重量変更できます。
鉄の重りは1本が約1kg程度ですから、ブロックダンベルを軽い重量で扱っている場合は抜き差しして重さを微調整することもありますが、高重量になってくると1、2kgの差はあまり関係なくなってくるので、鉄の重りを抜き差しすることはあまりしませんね。
コンパクトでありながら高重量(片手41kg)
プレートを付け替えるタイプのダンベルでは片手27.5kgが上限だったのですが、購入したブロックダンベルは片手の上限が41.1kg、両手では82.2kgにもなり十分。もちろん、プレートを付け替えるタイプでも高重量のプレートを買い足せばどんどん上限を上げて行けますが、ブロックダンベルはこれだけの高重量でありながら場所を取らないところが魅力です。
ブロックダンベルを使い始めて既に1年以上経ちますが、フル重量で扱うことは滅多にありません。
- ショルダーシュラッグ
- サイドベント
- ダンベルローイング
- ワイドスクワット
- リバースプッシュアップ
上限の41.1kgでできる種目としては、まだこれくらいしかありません。
ブロックダンベルの短所
プレートを付け替えるタイプのダンベルで感じていた不満をかなり解消してくれたブロックダンベルですが、実際に使ってみると分かる欠点もあります。
- 重さがポンド表示。
- 油臭い。
- 握りが太くてパワーグリップが巻きにくい。
- サイドに突き出たピンが邪魔になる。
- 塗装が剥がれ落ちる。
- 音がうるさい。
- 握り部分が緩んでくる。
- やり難い種目がある。
重さがポンド表示
本体に貼られたシールには重量がポンドで表示されているので、直観的に重さが分かりません。
そこで私は、ブロックダンベルの重さをkgで実測して、表にしたものを壁に貼っています。
この表があれば色で重さが区別できますから、本体からシールが剥がれてしまっても大丈夫です。
油臭い
個体差もあると思いますが、私が購入したブロックダンベルは届いた直後はかなり油臭く、鉄板やアームを雑巾で拭いても臭いがなかなか消えませんでした。どこに臭いが残っているのか色々調べたところ、実は重りを入れる二つの穴に残った工業油が原因だと分かりました。
ティッシュなどで拭き取ってもなかなか臭いが消えないので、最終的に私は鉄の重りとそれを入れる本体の穴を中性洗剤でジャバジャバ洗っちゃいました。かなり臭いは軽減され、その後はほとんど臭わなくなりました。
握りが太くてパワーグリップが巻きにくい
ブロックダンベルは手首周りのバーが邪魔になるとの口コミが散見されたのですが、手袋をした状態でシャフトを握ってみても手首周りには十分なスペースがあります。
問題はパワーグリップを使った場合です。ブロックダンベルのシャフトの握り部分にはラバーが巻かれていて、金属シャフトより少し太く真ん中が膨らんだ形になっています。
手袋をしただけの状態でシャフトを握れば滑ることもなく手にフィットするのですが、パワーグリップをしてシャフトを握ると、重りを入れるバーが邪魔をすることとシャフトの真ん中が膨らんだ形状をしているためにパワーグリップのベロをしっかり巻き付けることができません。
そのため、ブロックダンベルにはゴールドジムのパワーグリップよりもベロが長くて柔軟性のあるマイプロテイン社製のリフティンググリップがおすすめです。
サイドに突き出たピンが邪魔になる
ブロックダンベルは重量を変えるために横から2本のピンを刺しこみますが、この2本のピンが逆サイドに少し突き出しているのが邪魔になる場合があります。
サイドベンドやワンハドローイングのように体の近いところでダンベルを上下させる場合、突き出たピンが体に引っかかるからです。
そんな時は、ブロックダンベルをひっくり返してピンが突き出ていない方の面を体に近くすれば、この問題は簡単に解消できます。
ブロックダンベルをベンチの近くで肩まで振り上げる場合も、注意が必要です。実際私は、ブロックダンベルを振り上げるときにインクラインベンチのシートにぶつけてしまい、シートカバーを破いてしまいました。
塗装が剥がれ落ちる
ブロックダンベルをしばらく使っていると、塗装が剥がれ落ちてきます。
こんなカスが、ブロックダンベルからぽろぽろと落ちてきます。結構な量です。本体を見ると、重量変更するときに鉄板同士が擦れる部分で、塗料が剥がれているのが分かります。
このままだと、最終的には塗装がほぼなくなってしまうんじゃないかと心配です。剥がれるだけならいいのですが、そこから錆びてくると困ります。そうなったら、自分で防錆塗料でも塗ろうかと思っています。
音がうるさい
ブロックダンベルを動かすと、握り部分に入ってる2本の鉄の重りがずれて、どうしてもガチャガチャと音がします。反動をつけてウェイトを持ち上げることをチーティング(cheating)と言いますが、例えばアームカールなどで勢いよくブロックダンベルを持ち上げるときなどは結構な音が出てしまいます。
音を出さないようと思ってゆっくりブロックダンベルを動かしたとしても、中の重りが前後にずれればストッパーにぶつかって音が出てしまいます。
これを防ぐには2本の重りが中でずれないように詰め物をするか、最初から2本の重りを抜いてしまうかですが、そうすると重りの抜き差しができなくなり設定重量が制限されてしまいます。
ブロックダンベルを使う限り、多少の音は我慢するしかないですね。
握り部分が緩んでくる
ブロックダンベルには可動部分がほとんどないのですが、しばらく使っていると握り部分が緩んでくることがあるので注意が必要です。私の場合は、購入から1年ほど経った頃に、一方のブロックダンベルの握りがグラつくようになりました。
ただこれは握り部分のネジが緩んだだけだので、六角レンチで締め直せばグラつかないようになります。
やり難い種目がある
ブロックダンベルは、プレートを付け替えるダンベルと比べてその構造上やり難い種目もあります。
- ダンベルプルオーバー
- ダンベルフレンチプレス
- ワイドスクワット
ワイドスクワットは、バーベルを肩に担いでやる方ではなく、ダンベルを両手で縦に持ってやる方です。
他の種目もそうですが、結局ブロックダンベルは縦にして両手で持つのには向いていない、ということです。ダンベルプルオーバーもダンベルフレンチプレスも、両手にそれぞれブロックダンベルを持つ場合は問題ないのですが、一つのブロックダンベルを両手で持つ場合はやり難い。
握りの周りにあるバーを持って縦に持てないこともないのですが、しっかり握れませんし手首にも負担がかかりますから、重量が上がってくると手が滑って持ち上がらなくなります。こういった種目は、通常のプレートを付け替えるタイプのダンベルの方がやり易いですね。
ただしワイドスクワットについては、ブロックダンベルを縦にではなく、横に寝かせて握りの周りにあるバーを両手で持つことによって、最高重量まで使えることが分かってきました。持ち上げるときに股にブロックダンベルを挟むことになり、両膝を伸ばし切ることができませんが、それが返って腿に負荷をかけ続けることになり、結果的に大腿四頭筋に良く効くようになりました。
また、サイドレイズなどでは握りの周りのバーを手首で支えられるので、プレートを入れ替えるタイプのダンベルより持ち上げ易くなるのですが、レップ数が上がってくるとバーと手首が擦れて痛くなることもあります。そんなときは、手首にリストラップを巻いてやるといいですね。
手首がバーに当たるところをリストラップが守ってくれるので、痛くなることもありません。
ブロックダンベル(41kg×2個)
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