筋トレはどうしても手首関節に負担がかかる
筋トレは筋肉に負荷をかけるトレーニングですから、続けているとどうしても関節を痛めてしまうことがあります。その代表が、手首の関節。
自分の体重だけ、いわゆる自重を使ったトレーニングでも、例えば腕立て伏せは手の平を床に付きますから、そのままでは手首に大きな負荷がかかってしまいます。また腹筋を鍛える腹筋ローラーも、手首が反った状態でトレーニングすると手首を痛めることがあります。ウェイトを使ったトレーニングでも、高重量のダンベルやバーベルを腕で上げ下げすることが多いので、これも手首関節に負担がかかります。
また手首は様々な方向に動かすことができるため、負荷がたいしてかかっていない状態でも、少し無理のある方向にひねると痛めてしまうことがあります。私が左手首を痛めたのは、このパターンでした。
腕立て伏せをするとき、私は手首への負担を和らげるためにプッシュアップバーを使っています。
最初は右にある固定式のブリッジ型プッシュアップバーを使っていたのですが、最近では左にある非固定式の回転型プッシュアップバーを良く使っています。回転型プッシュアップバーは単純にグリップがグルグルと回るだけなんですが、実際に使ってみると固定式のプッシュアップバーではできない、上半身の各筋肉に様々な刺激を与えられることが分かります。
指や手首への負担を軽くするために使い始めたプッシュアップバーでしたが、この回転型を使ったことによって逆に手首を痛めることがあります。腕立て伏せで手首を内転させながら体を持ち上げているときに左の手首にちょっとした痛みを感じたのですが、翌日から徐々に手首の痛みが増してきて日常生活にも支障をきたすようになってしまいました。
手首の痛みというとドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)が有名ですが、親指を握って手首を小指側に曲げて痛みを測るフィンケルシュタインテストをやっても、痛みはあまり強くならなかったので腱鞘炎ではないのかもしれません。むしろ、手首を親指側や内側に曲げると痛みが強く、特にボタンダウンのワイシャツの襟にあるボタンを止める動作が、しばらく痛みが酷くてできない時期がありました。
トレーニング中に手首を保護するリストラップ
ダンベルプレスや腕立て伏せなどで、手首を保護するにはリストラップを使います。私が使っているのは、シーク社のブルーラインのリストラップです。
少し伸縮性のあるベルトを手首に巻いてマジックテープで止めるだけなのですが、手首の可動域を制限し関節への負担を軽減してくれるので、トレーニング中に痛みを感じることが少なくなります。
強く巻けばそれだけ手首の可動域を狭くできますが、血流が止まって手が痺れてくるので、インターバルのたびに巻き直さなければならなくなります。逆に巻きが弱いと手首を保護できないので、巻いている意味がなくなってしまいます。トレーニングの種類やウェイトの重さを見て、どれだけ手首に負担がかかるかによってリストラップを巻く強さを調整する必要があります。
リストラップは、ダンベルプレスや腕立て伏せのように押す動作だけでなく、アームカールやフレンチプレスのような肘を固定してウェイトを持ち上げる動作のときも手首を守ってくれます。
日常生活で手首を保護するサポーター比較
リストラップは手首を締め付ける強度が高いので、日常生活で使うのはお勧めできません。長時間巻いていても痛みが出ないような、日常使いできるサポーターがいいですね。
私も色々な種類の手首用サポーターを実際に購入して試してみましたが、一長一短があります。
筒型サポーター
伸縮性のある筒型の布に、手首をスポッと入れるだけで装着するタイプです。円筒形で手首だけに巻くサポーターと、手首だけでなく親指の付け根もある程度保護してくれるサポーターとがあります。
筒型のサポーターの良さは、厚みがないので長袖のワイシャツを着ても手首のボタンを閉められるところです。これなら仕事中にサポーターをしていても、あまり目立ちません。
デメリットは、締め付ける強さを調節できないことです。緩すぎると手首の痛みが防げませんし、強すぎると手が痛くなってきます。丁度いい強度のサポーターを見つけるのは、簡単ではありません。
手首だけを保護するタイプ
何の変哲もない、伸縮性のある筒型のサポーターが2つ入っています。
手首に巻くと、こんな感じになります。
締め付け感も弱く、手首関節を覆うようにしてもすぐに肘側にズレてきてしまうので、手首の可動域を制限することにはなりません。下に貼っている湿布を剥がれにくくするのには役立ちますが、手首の痛みを和らげるのにはあまり効果ありません。
手首と親指を保護するタイプ(黒)
手首だけでなく親指もすっぽりと包んでくれる、バンテリンのサポーターです。
実際に装着してみると、こうなります。
親指の動きをある程度制限してくれるのはいいのですが、小さいサイズを長時間付けているとその親指が痛くなってくることがあります。締め付けは若干緩くなりますが、少し大きめのサイズにするのが良いでしょう。
また、親指の付け根までサポーターがカバーしてくれるので、手首の可動域をある程度制限する効果もあります。
手首と親指を保護するタイプ(白)
親指も通すタイプには、白いサポーターもあります。
実際に装着すると、こうなります。
上の黒いサポーターと形はほぼ同じですが、締め付ける強度が低いので親指は痛くなり難いのですが手首の保護があまり強くありません。ただし、やはり手に装着するものなので白いと汚れが目立ちます。
1日ごとに洗う必要があるので、何枚か揃えておいた方がいいですね。
手首と手の平を保護するタイプ
手首と手のひらを保護するタイプの、バンテリンのサポーターです。実際に装着すると、こうなります。
親指が全く保護されていないので、親指に痛みがある場合はあまり役に立ちません。さらに、手の平もある程度締め付けるので、サイズが小さいと手の平の小指側が痛くなってきます。
巻き付け型サポーター
リストラップのように、手首に巻き付けてマジックテープで止める日常使いできるサポーターがあります。寝るときは痛みを感じないように弱く、日中は手首の可動域をできるだけ制限するように強く、といったように巻き付ける強度を自分で調節することができます。
ただし、伸縮性のある布を手首に二周ほど巻き付けるので、長袖のワイシャツを着るときは袖のボタンが締められません。ワイシャツの外に巻かなければいけないので、仕事中などは目立ってしまいます。
この巻き付け型のサポーターにも、手首だけを保護するタイプと親指の付け根まで保護するタイプとがあります。
手首だけを保護するタイプ
筒型に手首を入れますが、更に手首に巻き付けてマジックテープで止めることで、締め付ける強度を調整できるサポーターです。
リストラップに比べて手首に巻き付ける部分があまり長くないので、これくらいですと、サポーターの上からワイシャツの袖のボタンを締めることができます。
ただし、手首の可動域を制限するためにかなり強く締め付けないといけないので、長時間使っていると手が痛くなってきます。逆に締め付けが弱いと、手首の動きがほとんど制限されないので、痛みを防止する効果が出ません。
親指に紐でひっかけるタイプ
リストラップと同じように、まずは帯の端を親指に引っ掛けてから手首にグルブルと巻き付けて、逆の端をマジックテープで止めて固定します。
このタイプは、親指に紐でひっかけます。装着するとこうなります。
しっかりと巻き付ければ、手首の関節をカバーしているので手首の可動域をある程度制限することができます。しかし見て分かるように、このタイプは親指の付け根に紐が巻き付いているため、強く巻き付けたり長時間付けっぱなしにしていると、親指の付け根が痛くなってくることがあります。
親指に穴でひっかけるタイプ
このタイプは、紐ではなく帯の端に空いた穴で親指にひっかけて手首に巻き付けるサポーターです。
上の紐で親指に引っ掛けるタイプより帯が少し短いので、その分手首への巻き付きも少なくなりますが、ワイシャツの袖のボタンが締められるほど薄くはなりません。実際に装着すると、こうなります。
親指に引っ掛けるところは、紐よりも柔らかい伸縮性のある帯の部分なので、紐に比べると親指の付け根は楽です。また、手首全体を覆っているので、関節の可動域をある程度制限してくれます。
筒型+巻き付け型サポーター
伸縮性のある布に手首をスポット入れる筒型と、ベルトを手首に巻き付けて可動範囲を制限する巻き付け型と、両方を併せ持つサポーターもあります。
形はちょっと複雑で、指に引っかけるフックの部分と、手首をスポット入れる筒形のインナー部分と、インナーの上から手首に巻き付けるベルト部分からできています。
まず、インナーに手首を入れてフックに親指を引っかけます。説明書には、フックを親指以外に引っかける方法も載っていて、他の指を痛めた場合にも使えます。
この後、インナーの上からベルトを手首に巻き付けてマジックテープで止めます。ベルトの巻く強さを調整できますし、またベルトの巻き方によって手首の可動域を調整することができます。例えば、ベルトを指側に持ち上げてマジックテープで止めれば、手首が甲側に倒れるのを防ぐことができます。ベルトがある程度細長いために、このような微調整が可能です。
実際に巻き付けたところを手の甲側から見ると、こんな感じになります。
手に平側から見ると、こうなります。
サポーターの下には湿布を貼っています
手首の可動域を制限して痛みを和らげるために、日常的にサポーターをしているのですが、その下には痛みを取るために湿布を貼っています。私が使っているのは、こちらの湿布。
フェイタスZαジクサス
他の湿布と貼り比べた訳ではありませんが、1回貼れば1日中付けっぱなしでいいのが楽です。臭いもほとんどしません。
ただし、手首には一番痛いところを中心にこのように貼り付けるので、上にサポーターを巻かないと湿布の端が剥がれてきてしまいます。また連日貼り続けていると、どうしても皮膚が荒れてきます。睡眠中は湿布を貼らないようにする等、皮膚を回復させることも必要です。
サロンパス
サロンパスからフェイタスよりもかなり価格が安い、同じような貼るタイプの湿布が出ています。
実際に使ってみるとフェイタスより一回り小さいので、痛みのあるところにピンポイントで貼ることができます。
ただし、臭い!
においは好みがあるので何とも言えませんが、サロンパスの湿布は私には耐えがたい臭いだったので、残念ながら使うことはありませんでした。